「コンカフェを海外でやってみたいけど、どこがいいんだろう…」「ベトナムが熱いって聞くけど、実際どうなの?」そんな風に考えていませんか?実は、日本のコンカフェ経営者の間で、次の進出先としてベトナムが注目されているんです。成功すれば大きなリターンが期待できる一方、現地のリアルを知らないまま進出すると、9割が失敗するとも言われています。
この記事では、数々の海外進出案件を見てきた私が、ベト’ナムでのコンカフェ開業を成功させるための具体的な秘訣と、誰も教えてくれないリアルな実態を包み隠さずお伝えします。読み終わる頃には、「自分にもできるかも」という確信と、具体的な行動計画が見えてくるはずです。
なぜ今、コンカフェの海外進出先としてベトナムが熱いのか?

数ある国の中で、なぜベトナムがこれほどまでに注目されているのでしょうか。漠然としたイメージだけで「成長しているから」と飛び込むのは危険です。
実は、ベトナムにはコンカフェというビジネスモデルが成功しやすい、いくつかの明確な理由が存在します。それは、単なる経済成長だけではありません。
人々の感情、文化、そして市場の未熟さが絶妙に絡み合っているんです。ここでは、データと現地のリアルな声をもとに、ベトナムが持つポテンシャルを具体的に解き明かしていきます。
この背景を知っているかどうかで、事業計画の精度が大きく変わってきますよ。
根強い親日感情と日本ポップカルチャーへの異常な熱量
ベトナム進出を考える上で、最も大きな追い風となるのが「親日感情」です。これはビジネスの世界だけでなく、一般市民のレベルまで深く浸透しています。
日本の製品は「高品質で信頼できる」というイメージが定着しており、日本のアニメや漫画、J-POPといったポップカルチャーは、若者たちの生活に欠かせないものになっています。この文化的土壌が、コンカフェという日本独自のコンセプトを受け入れやすくしているんです。
現地の熱狂度
- アニメイベントの盛況
- 日本語学習者の多さ
- 日本食レストラン人気
この3つの事実は、ベトナムの若者がどれだけ日本文化に強い関心を持っているかを示しています。彼らにとって「日本のカワイイ文化」は憧れの対象であり、それを体験できるコンカフェは、まさに夢のような空間に映るのです。
ホーチミンで開催されるアニメイベントの驚くべき実態
ホーチミンやハノイでは、毎年大規模なアニメ・マンガのフェスティバルが開催されます。驚くべきはその来場者数と熱気です。
数万人規模の若者が集まり、手作りの衣装でコスプレを楽しみ、日本のキャラクターグッズに長蛇の列を作ります。彼らのSNSは日本の最新アニメの話題で溢れかえっており、その情報感度は日本の若者と何ら変わりません。
この熱狂的なファン層は、コンカフェにとって最も質の高い見込み客層と言えるでしょう。
なぜ彼らは日本語を学ぶのか?その動機にヒントあり
ベトナムでは日本語学習者の数が年々増加しています。JETRO(日本貿易振興機構)の調査によると、その動機の多くが「アニメや漫画を原文で楽しみたい」「日本の文化が好きだから」というもの。
日系企業への就職という実利的な目的だけでなく、純粋な憧れが彼らを動かしているんです。これは、コンカフェで働くキャスト候補生の質の高さにも直結します。
日本語が話せるだけでなく、日本文化への深い理解と愛情を持った人材を採用しやすい環境があるのです。
急成長する経済と若者の「推し活」消費
ベトナムの魅力は、文化的な側面だけではありません。年率6〜7%で成長を続ける経済と、それに伴う中間層の拡大は、コンカフェのようなエンターテイメント消費にとって強力な追い風です。
特に注目すべきは、人口の平均年齢が約32歳という若さ。購買意欲が旺盛な若年層が、この国の消費を牽引しているんです。
彼らの消費行動には、日本とも共通するある特徴が見られます。
月収の半分を趣味に使う?ベトナム若者の金銭感覚
ベトナムの都市部に住む若者たちは、親世代とは全く異なる金銭感覚を持っています。彼らは「モノの所有」よりも「コトの体験」にお金を使いたいと考えており、特に自分の好きなもの、つまり「推し」への投資を惜しみません。
月収が5万円だとしても、好きなアイドルのライブや限定グッズに2万円以上を平気で使うことも。この「推し活」文化は、キャストとの交流や世界観を楽しむコンカフェのビジネスモデルと非常に相性が良いのです。
SNS映えが絶対正義!「いいね」がもたらす経済効果
FacebookやTikTok、Instagramはベトナムの若者にとって生活インフラそのものです。彼らは常に「SNSでシェアできるか」を基準に行動を選択します。
可愛らしい内装、ユニークなメニュー、メイド服のキャスト…コンカフェはまさに「映え」の宝庫。お客様が投稿した一枚の写真が、無料で数千、数万人にリーチする強力な広告塔になります。
この拡散力をうまく利用できるかどうかが、集客の大きな鍵を握っていると言えるでしょう。
競合がほぼいないブルーオーシャン市場という現実
日本文化への関心が高く、消費意欲も旺盛。これだけの好条件が揃っているにもかかわらず、ベトナムには本格的なコンカフェがほとんど存在しないのが現状です。
これは、これから進出する企業にとって最大のチャンスと言えます。市場の先駆者として、自分たちがスタンダードを創り上げていくことができるのです。
もちろん、類似の業態は存在しますが、そのクオリティには大きな差があります。
競合の現状
- コスプレ喫茶レベル
- 世界観の作り込み不足
- 接客クオリティの低さ
現地の類似店は、単にコスプレ衣装を着た店員がいるだけのカフェがほとんどです。日本式の「おもてなし」や、徹底した世界観の構築、キャスト教育といったソフト面が決定的に欠けており、ここに大きな勝機があります。
「メイドカフェ風」と「本物のコンカフェ」の決定的違い
現地にある「メイドカフェ風」の店は、内装もメニューも中途半半端で、キャストもただ衣装を着ているだけ、というケースがほとんどです。「萌え萌えキュン」のようなおまじないや、お客様を「ご主人様」と呼ぶといった、コンカフェの根幹をなす文化が理解されていません。
だからこそ、日本で培ったノウハウをそのまま持ち込むだけで、圧倒的な差別化が可能です。本物のクオリティを提供すれば、口コミであっという間に人気店になるポテンシャルを秘めています。
オタク・サブカル市場のリアルな規模感
ベトナムにおけるオタク・サブカル市場は、まだ黎明期であり、正確な市場規模のデータは存在しません。しかし、これは市場がないという意味ではなく、「まだ誰も測れていない」だけなのです。
前述のアニメイベントの動員数や、関連グッズのECサイトの売上、日本語学習者の増加率などから推定すると、その潜在的な市場規模は数百万ドル規模に達すると考えられます。この未開拓の市場で、コンカフェは彼らのコミュニティの拠点、つまり「聖地」となる可能性を大いに秘めているのです。
ベトナムでの成功率が劇的に上がる、たった3つの秘訣

ベトナム市場に大きな可能性があることは、お分かりいただけたかと思います。しかし、可能性だけで成功できるほどビジネスは甘くありませんよね。
実際にベトナムでコンカフェを開業し、成功を収めるためには、押さえるべき重要なポイントが3つあります。これを無視して日本での成功体験だけを頼りに進出すると、ほぼ間違いなく失敗します。
逆に、この3つの秘訣を徹底的に実行すれば、競合がいない市場で圧倒的な先行者利益を得ることが可能になります。具体的に何をすべきか、一つずつ見ていきましょう。
秘訣1:現地ニーズを徹底分析したコンセプト設計
最初の秘訣は、コンセプト設計です。ここで多くの人が犯す間違いが、「日本の成功モデルをそのまま持ち込んでしまう」こと。
もちろん、日本のコンカフェ文化の根幹は大切にすべきです。しかし、内装、サービス、メニューの細部に至るまで、ベトナム人の好みや文化に合わせる「ローカライズ」が成功の鍵を握ります。
彼らが何を「カワイイ」と感じ、どんなサービスに価値を感じるのかを徹底的にリサーチする必要があります。
コンセプト設計の要点
- 内装の現地化
- サービスの最適化
- メニューの独自性
この3つの要素を、現地の文化や嗜好に合わせて微調整することが極めて重要です。日本の良さを残しつつ、ベトナム人に「私たちのための場所だ」と感じてもらう。
この絶妙なバランス感覚が、リピーターを生む秘訣なんです。
日本式の押し付けはNG!ベトナム人が本当に好む内装とは
例えば、内装。日本では少し薄暗い照明で落ち着いた雰囲気を好む傾向がありますが、ベトナムでは明るく、写真映えする華やかな内装が好まれます。
特に、SNS投稿を意識したフォトスポットの設置は必須です。壁一面に花を飾ったり、可愛らしいキャラクターの大きなぬいぐるみを置いたり。
また、ベトナム人は友人や家族と大人数で来店することが多いため、2人掛けのテーブルばかりでなく、4人以上で座れるソファ席を多めに用意するといった配慮も喜ばれます。
現地食材を活用したオリジナルメニューで心を掴む
オムライスにケチャップで絵を描く、といった定番メニューはもちろん人気です。しかし、それだけでは足りません。
マンゴーやパッションフルーツ、ドラゴンフルーツといった南国フルーツをふんだんに使ったパフェやドリンクは、現地の人々にとって馴染み深く、間違いなく人気メニューになります。また、ベトナムの伝統的なスイーツ「チェー」をコンカフェ風にアレンジするなど、現地文化へのリスペクトを示すことで、お客様の心をぐっと掴むことができます。
価格設定も、現地の物価感覚に合わせることが大切です。
秘訣2:優秀な現地キャストの採用と日本式おもてなし教育
コンカフェの魂は、何と言ってもキャストですよね。ベトナムで成功するための2つ目の秘訣は、このキャストの採用と教育にあります。
日本文化への関心が高い若者が多いとはいえ、日本人が当たり前だと思っている「おもててなし」の精神や「空気を読む」といった感覚は、文化が違えば通用しません。だからこそ、採用段階での見極めと、採用後の徹底した教育が不可欠になるのです。
採用チャネルと面接で絶対に見抜くべきポイント
優秀なキャスト候補生と出会うには、適切なチャネルを使う必要があります。現地の大学の日本語学科や、日本文化サークル、アニメファンが集まるFacebookグループなどが有効です。
面接で見るべきは、日本語能力の高さだけではありません。それ以上に重要なのが「笑顔」と「ホスピタリティの素養」です。
例えば、「困っている人を見たらどうしますか?」といった質問を通して、その子の人柄や考え方を見るようにしましょう。日本のアニメや文化について、どれだけ熱量を持って語れるかも重要な判断基準になります。
モチベーションを高める給与体系と労働環境の作り方
ベトナムでは、給与だけでなく、働きがいや職場環境も重視される傾向が強まっています。単に時給を高く設定するだけでなく、チェキの売上に応じたインセンティブや、お客様からの人気投票によるボーナスなど、頑張りが正当に評価される仕組みを導入すると、キャストのモチベーションは格段に上がります。
また、定期的な面談で悩みを聞いたり、誕生日会を開いたりといった、家族的な雰囲気作りも、離職率を下げ、定着率を高める上で非常に効果的です。
秘訣3:デジタルとリアルを融合した集客戦略
最後の秘訣は集客です。どんなに素晴らしいお店を作っても、お客様に来てもらえなければ意味がありません。
ベトナムの若者たちに情報を届けるには、彼らが日常的に使っているプラットフォームを攻略する必要があります。特にSNSの活用は絶対不可欠。
そして、オンラインでの情報発信と、オフラインでのイベントを連携させることで、相乗効果を生み出すことができます。
集客の三本柱
- SNSマーケティング
- インフルエンサー活用
- リアルイベント連携
これら3つを効果的に組み合わせることで、オープン前から話題を作り、継続的に新規顧客を獲得することが可能になります。特に、ベトナムでは口コミの力が絶大なので、いかに「人に話したくなる」仕掛けを作れるかが勝負です。
FacebookとTikTok、どちらをどう使い分けるべきか
ベトナムで最も影響力のあるSNSはFacebookです。お店の公式ページを作成し、イベントの告知やキャストの紹介、新メニューの案内などを定期的に発信するのは基本中の基本。
一方、TikTokは爆発的な拡散力を持っています。キャストが可愛いダンスを踊る動画や、「おまじない」をかける様子の動画は、数十万回再生されるポテンシャルがあります。
Facebookはファンとのコミュニケーションの場、TikTokは新規顧客へのリーチの場、と使い分けるのが効果的です。
現地インフルエンサーやアニメイベントとの賢い連携方法
現地の日本文化に詳しいインフルエンサーやコスプレイヤーに、オープン前に来店してもらい、その体験をSNSで発信してもらうのは非常に有効な手段です。彼らのフォロワーは、まさにコンカフェのターゲット層そのもの。
また、前述のアニメイベントにブースを出展し、割引券を配布したり、キャストのチェキ会を開催したりするのも効果的です。イベントの熱気をそのまま店舗への来店に繋げる導線を設計することが、成功の鍵となります。
知らないと9割が失敗する?ベトナムコンカフェ経営の落とし穴

ここまでベトナム進出の魅力と成功の秘訣についてお話してきましたが、もちろん良いことばかりではありません。むしろ、これからお話しする「リアルな課題」を知らずに飛び込むと、ほぼ確実に失敗します。
海外での事業展開には、日本では考えられないようなトラブルや困難がつきものです。しかし、事前にリスクを理解し、対策を立てておけば、その多くは乗り越えることができます。
ここでは、特にコンカフェ経営において注意すべき4つの大きな壁について、具体的にお伝えしますね。
許認可・法規制の壁|飲食業と風営法の違いを理解する
海外でビジネスを行う上で、最も厄介なのが法律や規制の問題です。特にベトナムでは、法律の運用が担当者によって変わることもあり、一筋縄ではいきません。
日本の感覚で「飲食店だから簡単だろう」と考えていると、思わぬところで足元をすくわれます。特に、コンカフェという業態が、現地の法律でどう解釈されるのかを正確に理解しておく必要があります。
法規制のポイント
- 営業ライセンスの種類
- 接待行為の定義
- 労働許可の取得
これらの許認可は、取得までに数ヶ月かかることも珍しくありません。特に「接待」と見なされると、取得のハードルが格段に上がります。
信頼できる現地の専門家と連携し、慎重に手続きを進めることが絶対に必要です。
「カラオケライセンス」が必要になる意外なケースとは
ベトナムでは、飲食店が「娯楽サービス」を提供する場合、追加のライセンスが必要になることがあります。例えば、キャストがステージで歌やダンスを披露するようなサービスを考えている場合、それが「カラオケ」や「音楽公演」と見なされ、特別なライセンスを要求される可能性があるのです。
日本のコンカフェでは当たり前のイベントが、ベトナムでは違法行為になりかねません。どのようなサービスがどのライセンスに該当するのか、事前に弁護士やコンサルタントに確認することが不可欠です。
賄賂は当たり前?グレーゾーンとどう付き合うか
残念ながら、ベトナムでは許認可のプロセスにおいて、担当官への非公式な支払い(賄賂)が要求されるケースが今でも存在します。もちろん、これは違法行為であり、応じるべきではありません。
しかし、これを拒否することで手続きが意図的に遅延させられるリスクもあります。こうした状況に陥らないためにも、最初から現地事情に精通した信頼できるパートナーを見つけることが極めて重要です。
クリーンな方法でビジネスを進める強い意志と、それをサポートしてくれる体制を整えましょう。
人材の価値観と文化の違いによるマネジメントの難しさ
「人が最大の資産」であるコンカフェにおいて、現地スタッフのマネジメントは成功を左右する最も重要な要素の一つです。しかし、ここには日本との大きな文化の壁が立ちはだかります。
日本の「当たり前」は、ベトナムでは全く通用しないと考えた方が良いでしょう。良かれと思ってやったことが、逆にスタッフのモチベーションを下げてしまうことさえあるのです。
「時間を守る」という概念の違いにどう向き合うか
日本では「5分前行動」が常識ですが、ベトナムでは時間にルーズな傾向があります。遅刻を悪びれもせず、悪気がないケースも多いのです。
これを頭ごなしに叱っても、関係が悪化するだけ。なぜ時間を守ることが大切なのか、お客様に迷惑がかかること、他のスタッフが困ることを、根気強く、具体的に説明し続ける必要があります。
また、時間通りに出勤したスタッフを褒める、インセンティブを与えるといったポジティブなアプローチも有効です。文化の違いを理解し、日本の常識を押し付けない姿勢が大切です。
家族を最優先する文化と急な欠勤への備え
ベトナムでは、仕事よりも家族が最優先される文化が根強くあります。そのため、「家族が病気だから」「親戚の結婚式があるから」といった理由で、急に仕事を休むことが頻繁に起こります。
これを責めることはできません。対策としては、シフトに余裕を持たせ、常にヘルプに入れるスタッフを確保しておくことが重要です。
特定のスタッフに頼りすぎない体制を構築し、誰かが休んでも店が回る仕組みをあらかじめ作っておく。これがリスク管理の基本になります。
物件探しとインフラ問題|家賃相場と契約の罠
良い物件を見つけられるかどうかは、飲食店の成功に直結します。しかし、海外での物件探しは、情報も少なく、トラブルもつきものです。
特に、成長著しいベトナムの都市部では、家賃相場も年々上昇しており、契約内容にも注意が必要です。インフラ面での予期せぬ問題も発生しがちなので、事前の確認が欠かせません。
物件契約の注意点
- 家賃の急な値上げ
- デポジットの返還
- 又貸し物件のリスク
これらのトラブルは、契約書の内容をしっかり確認することで防げるものがほとんどです。ベトナム語の契約書を安易にサインせず、必ず翻訳を依頼し、専門家にリーガルチェックをしてもらうようにしましょう。
突然の停電や断水は日常茶飯事?その備えとは
ベトナム、特にホーチミンでは、電力需要の増加にインフラ整備が追いついておらず、予告なしの停電が頻繁に発生します。営業中に停電が起これば、営業を中断せざるを得ません。
対策として、自家発電機の設置や、UPS(無停電電源装置)の導入を検討する必要があります。また、断水や水圧の弱さも問題になることがあります。
貯水タンクの設置など、日本の店舗では考えられないような設備投資が必要になる可能性があることを、あらかじめ念頭に置いておきましょう。
家賃交渉と契約書で絶対に確認すべき条項
ベトナムでは、提示された家賃から交渉するのが一般的です。強気の交渉で、10〜20%程度下がることも珍しくありません。
契約書で特に注意すべきは、「家賃の値上げ」に関する条項です。契約更新時に法外な値上げを要求されるケースを防ぐため、値上げ率の上限を明記してもらうことが重要です。
また、契約終了時の「原状回復」の範囲や、「デポジット(保証金)」がどのような場合に返還されるのかも、曖昧な表現がないか徹底的に確認しましょう。
ゼロから始めるベトナムコンカフェ開業、具体的な4ステップと費用全解説
さて、ベトナムでのコンカフェ経営の可能性とリスクが見えてきたところで、いよいよ具体的な開業準備のステップに進みましょう。「何から手をつければいいのか分からない」という方のために、ここからは事業計画の策定からオープンまでの流れを、4つのステップに分けて具体的に解説していきます。
もちろん、気になる費用についても、初期投資と運転資金に分けて、リアルな目安をお伝えします。このガイドを参考にすれば、漠然とした夢が、実現可能な計画へと変わるはずです。
STEP1:市場調査と実現可能な事業計画の策定
何事も最初が肝心です。思いつきで行動するのではなく、まずは徹底的な市場調査から始めましょう。
現地の若者が集まるエリアはどこか、彼らが普段いくらくらいカフェにお金を使っているのか、どんなコンセプトが受け入れられそうか。机上の空論ではなく、実際に現地に足を運び、自分の目で見て、肌で感じることが何よりも大切です。
その上で、具体的で数字に基づいた事業計画を策定します。
事業計画の柱
- コンセプトの具体化
- ターゲット顧客設定
- 詳細な収支計画
特に収支計画は、楽観的になりすぎず、最悪のケースも想定して作成することが重要です。売上が計画の50%でも事業を継続できるか、といった視点でシミュレーションしておくことで、不測の事態にも冷静に対応できます。
最低でも1週間は現地に滞在!見るべきポイントはここ
市場調査のために現地を訪れるなら、最低でも1週間は滞在したいところです。見るべきポイントは、競合となりそうなカフェやレストラン、若者が集まるショッピングモール、そしてアニメグッズなどを扱う店舗です。
平日の昼、夜、そして週末で人の流れがどう変わるのかを定点観測しましょう。実際に現地のカフェに入り、メニューの価格帯や客層、接客レベルを自分の目で確かめることで、ガイドブックには載っていないリアルな情報が得られます。
資金調達はどうする?融資と自己資金の最適なバランス
海外進出には、想定以上の資金が必要になることがほとんどです。自己資金だけで全てを賄うのが理想ですが、現実的には難しい場合も多いでしょう。
日本の金融機関では、海外事業への融資はハードルが高いのが実情です。日本政策金融公庫の海外展開支援融資などを検討するのも一つの手です。
自己資金と融資のバランスとしては、少なくとも初期投資の3分の1から半分は自己資金で用意しておくのが望ましいでしょう。これが、事業の安定性と金融機関からの信頼に繋がります。
STEP2:現地法人設立と営業ライセンスの取得
事業計画が固まったら、次は法的な手続きです。ベトナムでビジネスを行うためには、まず現地法人を設立し、必要な営業ライセンスを取得しなければなりません。
このプロセスは非常に複雑で、ベトナムの法律や商習慣に関する専門的な知識が不可欠です。自力でやろうとすると、膨大な時間と労力がかかり、結果的にオープンが大幅に遅れてしまうことも。
ここは素直にプロの力を借りるのが賢明です。
法人形態の選択肢、有限会社(LLC)が一般的な理由
外国人がベトナムで会社を設立する場合、最も一般的な形態が「有限会社(LLC)」です。これは、設立手続きが比較的簡便で、出資者の責任が出資額の範囲内に限定されるため、リスク管理の観点からも有利だからです。
株式会社という選択肢もありますが、設立要件が厳しく、小規模な飲食店ビジネスにはあまり向いていません。まずは有限会社としてスタートし、事業が拡大した将来に株式会社化を検討するのが現実的なルートと言えるでしょう。
信頼できるコンサルタントや弁護士の見つけ方
現地法人設立やライセンス取得をサポートしてくれる専門家選びは、成功を左右する重要なポイントです。JETRO(日本貿易振興機構)や現地の日本人商工会議所に相談すれば、信頼できる日系のコンサルティング会社や法律事務所を紹介してもらえます。
複数の候補と面談し、料金体系だけでなく、実績や担当者との相性も考慮して慎重に選びましょう。「日本語が話せる」というだけで安易に決めず、飲食業界の許認可に詳しいかどうかを確認することが大切です。
STEP3:店舗契約から内装工事、人材採用までの流れ
法的な準備と並行して、いよいよ店舗作りを具体的に進めていきます。物件を契約し、コンセプトに合わせた内装工事を行い、オープニングスタッフとなるキャストを採用する、という一連の流れです。
ここでのポイントは、各タスクを同時進行で効率的に進めること。特に内装工事は、現地の業者とのコミュニケーションが難しく、スケジュール通りに進まないことも多いため、余裕を持った計画が必要です。
開業準備のタスク
- 物件契約
- 内装デザイン・工事
- 人材採用・教育
これらのタスクには、それぞれ専門的なノウハウが必要です。特に内装工事業者の選定や、採用活動の進め方など、現地特有の事情を理解しているパートナーの協力が不可欠になります。
焦らず、一つ一つのステップを確実にクリアしていきましょう。
内装工事業者選びで失敗しないための3つのチェックリスト
ベトナムで内装工事業者を選ぶ際は、注意が必要です。安さだけで選ぶと、手抜き工事やスケジュールの遅延といったトラブルに見舞われかねません。
業者選定の際は、①過去に日系企業の店舗を手がけた実績があるか、②詳細な見積もりと工程表を提出してくれるか、③担当者とスムーズにコミュニケーションが取れるか、の3点を必ずチェックしましょう。可能であれば、その業者が手がけた他の店舗を実際に見に行き、仕上がりのクオリティを確認することをおすすめします。
オープン1ヶ月前には完了させたいキャスト教育のメニュー
採用したキャストへの教育は、オープン日の最低でも1ヶ月前から始めたいところです。まずは座学で、お店のコンセプトや日本のおもてなしの心構えを教えます。
その後、実際にお辞儀の仕方、オーダーの取り方、料理の提供方法などをロールプレイング形式で徹底的にトレーニングします。特に、コンカフェ特有の「おまじない」やお客様との会話の仕方は、文化的な背景も含めて丁寧に教える必要があります。
オープン前にプレオープン期間を設け、実際にお客様を招いてオペレーションを確認するのも非常に有効です。
費用の目安|初期投資と運転資金はいくら必要か?
最後に、誰もが気になるお金の話です。ベトナムでコンカフェを開業するには、一体いくらくらいかかるのでしょうか。
もちろん、店舗の規模や立地、内装のこだわりによって大きく変動しますが、ここではホーチミン市内の中心部で、30坪(約100㎡)程度の店舗をオープンする場合の一般的な目安をお伝えします。これを基準に、ご自身の計画に合わせて調整してみてください。
初期投資(イニシャルコスト)の内訳と概算
初期投資は、物件取得費、内装工事費、厨房設備費、備品購入費、そして法人設立やライセンス取得にかかる費用などが含まれます。30坪程度の店舗であれば、総額で800万円〜1,500万円程度を見ておくと良いでしょう。
内訳としては、物件取得費(保証金・前家賃)が200〜300万円、内装工事費が400〜800万円、厨房設備・備品が150〜300万円、諸経費が50〜100万円といったイメージです。特に内装工事は、デザインにこだわるほど高くなる傾向があります。
最低でも6ヶ月分は用意したい運転資金(ランニングコスト)
お店をオープンしても、すぐに経営が軌道に乗るとは限りません。赤字が続いても事業を継続できるよう、運転資金を十分に確保しておくことが非常に重要です。
運転資金には、家賃、人件費、水道光熱費、食材の仕入れ費、広告宣伝費などが含まれます。これらの月々のコストを計算し、最低でも6ヶ月分の運転資金を初期投資とは別に用意しておくことを強くおすすめします。
具体的には、500万円〜800万円程度が目安となります。資金がショートすることが、廃業の最も多い原因です。
まとめ:ベトナムでの成功は準備が9割
今回は、コンカフェのベトナム海外進出について、その可能性から成功の秘訣、そしてリアルな課題までを詳しく見てきました。ベトナム市場が大きなポテンシャルを秘めていることは間違いありません。
しかし、その一方で、法規制や文化の違いといった、乗り越えなければならない壁も確かに存在します。成功の鍵は、情熱だけで突っ走るのではなく、この記事で紹介したようなポイントを踏まえ、いかに徹底的に準備できるかにかかっています。
現地のニーズを理解し、文化をリスペクトし、起こりうるリスクに備える。この地道な準備こそが、あなたの夢を現実のものにする唯一の道です。
この記事が、あなたの挑戦の第一歩を踏み出すきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。



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